強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
それからというもの、頼まれた仕事もミスをしてしまったり、ボーッとして注意をされてしまった。
それでも、彼に会うために急いで仕事終わらせるた。
その彼というのは、誰なのか。
秋文?先輩?どちらなのか、千春にはわからなかった。
急いで化粧室に駆け込んで、メイクを軽く直してスマホを見ると先輩からのメッセージと、秋文からのメッセージの両方が入っていた。
秋文からは、「少し遅れる。」だった。先輩からは会議室の名前だけが入っていた。
先輩たちが使っていた今日の打ち合わせで使っていた部屋だった。
急いで部屋に向かうと、電気がついていたのでノックをして周りにバレないように急いで部屋にはいった。
「千春ちゃん。来てくれたんだ。」
「……はい。駿先輩……あの、お話と言うのは?」
自分は先輩とまた付き合い直したいわけではない。先輩の話を聞くために来たのだと、自分に言い聞かせてながら彼にそう言うと、先輩は全てわかっているかのように、余裕のある笑みを浮かべた。
「この会社の知り合いに聞いたよ。千春ちゃん、凹んでたって。大丈夫?」
「ええ……もう時間も経ちましたし。」
先輩が私をふったのに何でそんな事を言っているのだろうか。先輩が何を話したかったのか、全く検討もつかなかった。けれども、いい話ではないような気がしてならなかった。
それでも、少し期待をしてしまう。バカな自分がいる。
「千春ちゃんは、やっぱり可愛いよね。今日会った時に、すごくドキドキしたんだよ。俺の好きなタイプの子なんだなぁーって。」
「そうなんですか………それで………。」
先輩は、千春を褒めながらゆっくりと近づき、千春の頬をそっと撫でた。
彼の冷たい手が触れられ、体が震えてしまう。
けれども、千春はそこから逃げられなかった。