強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛彼氏になりました
しかし、惚けていられたのは1日目だけだった。
その日、千春と連絡が取れなかった。
毎日欠かさずに連絡だけはしていた。
朝に別れてから千春からの連絡は1度もなく、哲史がメッセージを送っても返事もなく既読にもならなかった。
ホテルに戻ってから電話をしても千春は出なかった。
連絡が取れなくなって、まだ1日も経っていない。もしかしたら、体調が悪くて寝ているだけかもしれないし、友だちと遊びに出掛けているのかもしれない。
明日、連絡がなかったら、またどうにかしよう。
秋文は、不安になっている自分の気持ちを、落ち着かせた。
けれど、スマホばかりが気になってしまい、疲れているのに熟睡することは出来なかった。
次の日。
夜になっても、昨日と同じ状況が続いた。
千春からのメッセージも電話もなく、秋文のメッセージにも既読がつかなかった。
何か大変なことに巻き込まれたんじゃないか?そんな不安が襲い、すぐに四季組の連絡ツールにもメッセージを残す。
夜には既読が2つ付いていたけれど、返信は誰からも来なかった。
さすがにおかしいと思い、すぐにでも家に戻り千春の元へ向かいたかった。
けれど、帰れるのは明日の夜だ。
それまで、不安と苛立ちから集中力が欠けてしまい、試合はボロボロな結果になってしまった。
3日目。
監督に呼び出され、今日はベンチからのスタートだと告げられた。ここ2日の不調だから仕方がないと自分でも思っていた。
試合に出ないなら、早く千晴の元へ向かいたい。そんな風に思ってしまったのだから、試合に出るべきではないだろう。
試合が終わり、所属チームの練習場所に戻った時にはすでに夜になっていた。
秋文はすぐに車に乗り込み、自分の家に向かった。
今日になっても千春からの連絡はない。そして、出と立夏からもなかった。
嫌な予感がした。
頭の中で、悪い事が次々と考え出されて、秋文は頭痛を感じるほどだった。
家に帰って千春に会いたい。
それなのに、自宅のドアの前に来た瞬間に、部屋に入るのが怖くなった。
こういう悪い予感は当たるのだ。