分け合う体温
「由乃を、弄んでるんじゃないだろうなぁ。」

「さっきから聞いていれば。あんた、由乃の事好きなのか。」

「ああ、そうだよ。」

見ている私の方が、ハラハラした。


「とにかく、落ち着いて。理人も英吾も。」

二人を宥める事に、必死だった。

「由乃、どいていろ。」

理人も、本気になってきている。

「理人。ここじゃあ、お客さん達に、丸聞こえだよ。」

すると二人共ハッとして、一旦離れた。

「理人君。ちょっと、裏に来て貰おうか。」

「はい。」

理人も英吾も、建物の裏に向かっていた。

「理人!英吾!」

「由乃は、ここで待ってろ。」

理人はそう言ったけれど、一人で待ってるなんて、到底できなかった。


案の定、二人の後について行くと、ピリピリした空気が伝わって来た。
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