今夜、色のない君と。
───あれ…?
その時ふと、目にとまったものは、
いつもと少し違う風景。
……あんな絵、今まであったっけ…?
この本屋の入口である扉の横。
壁に埋まってる本棚と扉との間の、ちょっとしたスペース。
そこには四つ切り画用紙サイズの絵が、額縁に入れて飾られていた。
メガネをかけ直し、もう一度よく見る。
やっぱり絵だ。
遠くからでもよく分かる。
それはどうやら、人物画らしかった。
僕は不思議と、もっとよく見たいという思いに駆られ、その絵に近づいた。