今夜、色のない君と。



すると花夜は、やっぱり嬉しそうな顔をした。



「やった〜!緒都くん!ありがとう!」



予想していた反応そのものだったので、僕は笑った。


そのときの花夜を少しかわいいと思ったことは、僕だけの秘密。



花夜はまだ、今にも踊りだしそうなくらいに喜んでいる。



「そんなに嬉しい?」


「嬉しいですよ。ここは私の憧れていた世界なんだから」


「……そ」



君の笑顔は、やっぱり僕を嬉しくさせる。



< 89 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop