今夜、色のない君と。
やっぱりそうか。
さっき、ピンク色がわかっていなかった時点でなんとなく予想はしてた。
「じゃあ、僕が教える」
「へ?」
「花夜の知りたいこと。色でも、モノの名称でも、花夜が憧れてた世界のことでも、なんでも」
僕がそう言うと、花夜は目を大きく見開いた。
「…ほ、ほんとに?」
「うん」
「緒都くんが、教えてくれるの…?」
「うん」
「私の知りたいこと、全部…?」
「僕が知ってる範囲だったらね」