溺甘系朧咲夜【完】


『彼氏出来たら必ず最初に私に紹介するんだよ? どんな人で誰であっても。お父さんに内緒で付き合おうとか考えないことだね』


「………」


「だからもし私に彼氏がいるなら紹介しなくちゃなんですよっ。あれ、でも私も知らないのに彼氏って言えるのか?」


そんでなんで先生は知ってるんだ?


「……咲桜、この際在義さんはいい。まさかだけど、告白を受ける気なのか?」


「まさか! お断りするつもりしかないです。ただ、せっかく好いてくださったのをどう断ればいいのか……」


「そう――」


すっと、先生の腕が延びて来て私の腰を摑んで引き寄せた。


「え? せんせ――」


「だから、男いるって言って置けばいいだろ。相当諦め悪い奴じゃないきゃそれで退くから。それとも……好きなヤツでもいるって言って置くか?」


わ、わわわわっ、ドアップの先生……! 美形迫力過ぎる……!


「な? どっちのが言いやすい?」

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