溺甘系朧咲夜【完】
少し屈んで私の顔を覗き込んでくる先生。
だ、大すきな人の意地悪そうな微笑は九ミリ口径より威力がある……! っていうかジャムる! ってかなんで私はこんなぴったり先生にくっついているのー! なんのご褒美⁉
「あ、あ、の、せん、せい、」
「噛みまくりだな。落ち着け?」
こんな至近距離に先生がいて落ち着けるわけがありません――――っ!
「お、おとこ、はいな、いけど、すき、なひと、は、いる、いえます」
たぶん傍から見たら私の目は感激にぐるぐる回っているだろう。
カタコトみたいな口調で言うと、先生は顔をしかめた。
「好きなヤツ? 咲桜に? 誰? どんなヤツ? いつから?」
「えっ……答えるんですか?」
「うん。気になるから」