溺甘系朧咲夜【完】
「? 違う? あ――金髪じゃない、ね?」
笑満に軽く肯く。
私が警察署で見たのは、金髪の美人さん。
この黒髪の女性もキレイだけどどこか気が強そうで、とっつきにくい印象だ。
でも金髪美人さんは、もっとずっと柔らかい印象だった。
流夜くんはため息をついてその人に向き直る。
「そのお話は何度もお断りしたはずですが。それに生徒の前でそういう話をしないでください」
「こうでもしないと逢ってすらいただけないじゃないですかっ。ご結婚されているわけでもないのに……決まった方がいるんですか?」
強く押してくる黒髪の女性。流夜くんは呆れたように息をついた。
ど、どうするんだろう……。
「そうです。結婚を約束した方がいますから、何度来ていただいても返事は変わりません」
はっきり言った⁉ ちらっと笑満と頼が見て来るのがわかったけど、生徒も聞いている前で言っちゃっていいの⁉
「で――では、その方と逢わせてください。神宮さんに相応しい方だとお見受け出来れば、私も諦めます」