溺甘系朧咲夜【完】
ほんと退かないな……そしてこんなとき出て行けない私の存在感のなさ……。どうしよう……これ、私にも責任の一端があるよね――?
「流夜さんっ! お待たせしました!」
がばりと、流夜くんの腕に抱き付いた人がいた。
あ――
「「あ」」
笑満と頼と、私の心の声が揃った。
何故か流夜くんは「げっ」というカオをしたけど、現れたのは金髪の女性だった。
――私が見たの、この人だ。
「お前――」
「すみません、仕事で遅れました。……あれ? なんか人多いですけど、どうしたんですか?」
流夜くんが金髪美人さんに何か言いかけると、それを遮るように口を開いて周りを見回した。
うわ……まともに正面から見たの初めてだけど、やっぱ綺麗……迫力。
「あ、学校の生徒さんと――もしかして流夜さんにお見合いを持ちかけているのって、貴女ですか?」
少し探るように見られて、黒髪の女性はたじろいだ。
「ごめんなさい。流夜さんは将来を約束しているので、どうか諦めていただけませんか?」