STAR
「お姉ちゃんって」

「うん」

「最低」

諭吉を返せ!

「あんなに優しくて、広い心の人を怒らせるなんて信じられない」

「広くないよ」

「広い!」

女子高生の細いまゆげが吊り上る。
妹はぐるりと部屋を見渡し私に強く言った。

「何この部屋?あちこちにポスター貼りまくって、カレンダーもデカいの貼ってるし、パソコンの壁紙もそいつだし、部屋中ヤツだらけじゃん。そんな部屋でよくもっちゃんはエッチできるよね。かわいそー」

名前を出すのも嫌なのか?
失礼だな妹。やっぱり金返せ。

「写真集とかDVDとかツアーとか追っかけちゃったりして、私がもっちゃんならすぐ別れてるよ」

「はぁ?何で?私の趣味だよ。趣味というより瀬戸君は私の全てなの」

「おねーちゃんはそいつの事を好きでも、そいつはお姉ちゃんの事を知らないんだよ」

女子高生

きっつい……。

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