STAR
「お姉ちゃんが一方的に好きなだけで、こいつはお姉ちゃんの顔も知らないんだよ」

「そんなのわかってるもん」

「わかってないよ。現実を見なさい。もっちゃんみたいな優しい人に捨てられたら、絶対後悔するんだからね」

妹は怒ったように言い
逃げるように部屋を出た。

おい
人に借金して説教して帰るのか
利子はトイチだぞ!
返さなかったら海に沈めるぞ!方法はわかんないけれど……。

そう思いながらため息などして、瀬戸君のポスターを見て心を落ち着かせる私。
そのお気に入りである優しい笑顔のポスターが、今日はなぜかもっちゃんの顔とかぶってしまう。全然似てないんだけれど……かぶるよ。



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