好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
ようやく俺の番がきた。

待ち望んでいた瞬間のはずなのに、俺はそのブースに入るのをためらってしまった。



ほのかが中にいる。

その空間に入るのに、勇気が必要だった。



今度こそ、俺がほのかを幸せにしてみせる。

俺は、ブースの中へ足を踏み入れた。



それほど大きなブースではなかった。

ほのかとの間には、細長いテーブルが置かれているだけだ。



ブースに入った途端、ほのかと目があった。

セーラー服の衣装を着たほのかは、今にも泣き出しそうな目をしていた。
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