好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
母親はまだパートに出ている。

今日は、あいつの卒業を記念した写真集の発売日だ。

ネットで注文しておいたのが届いたのだろうか。

俺は階段を駆け下りると、相手を確認せずに玄関のドアを開いた。



「ほのか……」

玄関の前には、あいつが立っていた。



「帰ってきちゃった」

長い黒髪をおろして大人びたほのかが、恥ずかしそうに首をかしげる。



「……入れよ」

あいつは、伏し目がちにうなずいた。
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