好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
スクリーンに、海が見える公園にたたずむ恭平の背中が映しだされる。

制服を着たほのかが、恭平に向かって一歩一歩近づいていく。



『好き……大好き』

そう言って恭平を見つめるほのかの瞳は、本当に恋をしているように見えた。

一ノ瀬恭平がほのかの頬に手をかけて、上を向かせる。

熱く見つめあう二人を見て、俺は嫌な予感がした。



一ノ瀬恭平の唇が、ほのかに近づく。

ほのかは、本当に緊張しているように見えた。

身動きがとれないかのように固まるほのかに、イケメンが口づける。



その瞬間、ほのかの瞳は不自然に動いていた。

イケメンにされるがままになりながら、ほのかはぎこちなく目を閉じる。
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