好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「まもなくドアが閉まります」とホームにアナウンスが流れる。

ほのかは乗客の最後に車両に乗り込むと、デッキに立って振り返る。



「蒼……」

あいつは、どこか寂しそうな目をしていた。



「ほのか、東京で頑張れよ」

あいつは両手でウサギのキーホルダーを握って、小さくうなずく。

ホームに、発車ベルが鳴り響いた。
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