好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「……蒼」

「これ……」

あいつの前で立ち止まると、俺は握っていた小さなウサギを差し出した。



「ほのかCDくれたのに、俺何も用意してなかったから」

不意に現れた俺を見て、ほのかは少し驚いた顔をしていた。



「ほのか、このキャラ好きだろ?」

「まだ覚えていてくれたんだ……ありがとう」

俺の手にぶら下がっているキーホルダーを、あいつは両手で包むように受け取った。
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