エリート副操縦士と愛され独占契約
「まあ、どっちにしても……お前、男見る目養うべきだろ」


結構不躾なことを言われてると思うのに、水無瀬君は真顔だから、私はほんのちょっと唇を尖らせるだけに留めた。


「二十代のうちなら、ダメ恋経験積んでもいいかもしれないが、俺たち来年三十路突入だぞ。三十代になってもそれじゃ、どんな美人でも痛い女にしかならない」


眉間に皺を寄せて思案する水無瀬君に、私は頬骨の辺りがちょっとひくつくのを感じながら、苦笑してみせた。


「酷いな~……水無瀬君」

「呑気に笑ってる場合か。望月、ダメ男に慣れちゃって、耐性ついてるんだろ。まともな感覚麻痺しまくってて、次はさらに酷い男でも受け入れそう。ダメ恋ループまっしぐらだな」

「う……。そ、そんなこと、水無瀬君に心配されなくても」


なんだろう。
今日の水無瀬君は、やけに辛辣だ。
それだけ私に呆れてるってことだろうけど……。


私は取り繕って笑みを浮かべて、両手でジョッキを持って軽く揺らした。


「ダメ男にダメ恋、かあ……。私だって、そんなループ地獄に嵌りたくないけど。塩野君は、私をわかりやすく必要としてくれたから、初めのうちは、それを嬉しいって思うところもあったんだよね」


ジョッキの中の琥珀色の液体にジッと目を凝らし、私はポツリとそう言った。
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