エリート副操縦士と愛され独占契約
水無瀬君が横から見つめてくる視線を意識して、「はは」と乾いた笑い声をあげる。


「誰から見ても完璧な人って、自分一人でなんでもできちゃうじゃない? 彼女に甘えたりしないだろうし、他人に頼らなくても一人で平気。そういう相手じゃ、私はちょっと寂しいかな、とか」

「それ、母性本能? それとも、ただの憐れみ?」


容赦なくズケズケとツッコまれ、私はさすがに返事に窮した。


「そういう無駄に人がいいところも、塩野には『お母さん』っぽくて、必要だったんだろ。喜ぶところ、間違ってるんじゃないか?」

「………」


どうして?
いくらなんでも、ただの同期でしかない水無瀬君に、そこまで言われる筋合いはないはず。


私はきゅっと口を噤んで、無言で彼に視線を返した。
ジョッキをテーブルに置き、背筋を伸ばして改まった姿勢を見せる。


「私に男を見る目がなくたって、それ、水無瀬君に関係ある?」


私が反撃態勢に入ったのを見て、水無瀬君も姿勢を正した。


「『ある?』って聞かれると、今のところないとしか言いようがない」

「だったら」

「けど、ほっとけない。っつーか、これ以上見過ごすのも治まりが悪い。でも……思ったよりも筋金入りだ。こりゃ、クーデター起こしてでも大革命起こす必要があるな……」

「……はい?」
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