わたしは君を忘れない

映画デート

瀬戸くんとお出かけ(デート)が決まったのが
つい昨日のこと。
仲良くなりたいって言っていたけど
もう仲良くないですか?って感じ。
まだ瀬戸くんの中の"仲良し"の度合いが
満たされていないんだろうか。
うーん…
ブブブッ
え?
「今すぐ屋上に来ること!」
今から屋上!?
まだ授業道具机にしまってないんだけど!?
もぅぅ、瀬戸くんは急なんだから…
仕方ないカバン背負ったまま屋上向かお。

ガチャリ
『瀬戸くん?』
あれ?いない?
てかそれよりも寒い、さすが秋!
『花瀬ー、こっちこっち』
あ、瀬戸くんだ。上にいたんだ
そりゃ気づかないわけだ。
『あれ、花瀬なんでカバン持ったままなの?』
貴方のせいですよ!
なんて言えるわけないし。
『教室に向かっていたら瀬戸くんからメール来て置いてから行くの面倒だからそのまま来た。』
これなら瀬戸くん傷つかないだろうし
瀬戸くんのせいだって効率よく伝えれる!
なんて素晴らしい考えだろうっ
『ふーん。まぁいーや』
いい、ですと!?
『それより土曜の話し合いしよーよ』
スルーしましたね、瀬戸くん!
『うん』
まぁ、いいや。
エンドレスになりそうだしこの話題。
『花瀬がみたい映画あったら土曜それ見るけど。なんかある?』
見たい映画?
うーん…
あっ!
『あるっちゃあるかな』
『まじ。なんて映画?』
『内容はねー、一人の少女が同じ部活の先輩に恋をしてく青春もの!気になってたんだよねー』
『そうなんだ。じゃあそれにしよっか』
『え、いーの?』
あっさり納得してらっしゃいますけれども。
『いいの。じゃ土曜はその映画見てその後はぶらーっとそこら辺散歩しよ。で、待ち合わせだけど駅前でよろしく。』
わー、早口で済ませましたねこの人。
わたしはちゃんと聞けたけどほかの人なら
絶対聴き逃しそうだな…。
『わかった。』
キーンコーンカーンコーン
『じゃ、土曜日ねー』
『う、うん』
バタンッ
ドキドキ
まさか私の見たい映画を瀬戸くんと一緒に…
しかも恋愛ものですよ。
緊張するー!
パシンッ
よし、土曜までまだあるし頑張るぞ!
わたしは気合いを入れるため
ほっぺたを軽く叩いた。
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