大江戸シンデレラ
゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚
「……とまぁ、こういうこった」
多聞は流石においそれと明かせぬ「御前様」の件は伏せていたものの、兵馬に「想い人」がいたことは美鶴に正直に話した。
「おめぇさんには酷な話だがよ。
隠しておくよりゃ、知っておいた方がいいと思ってな」
多聞の話をじっと黙って聞いていた美鶴は、
「舅上様、わたくしのような者にさようにまでお気遣い賜り、誠にありがたきことにてござりまする」
深々と平伏した。
「……返す返すも兵馬の野郎にゃあ、もったいねえくれぇの嫁御だってんのによ」
一体だれに似たんだか、とぼやいて、はぁーっと多聞がため息を吐く。
「そいでもって、その『相手』だがよ」
美鶴は面を上げる。
「おめぇさんも、よっく知ってるおなごのはずさ」
——わたくしも、知っているとは……
「久喜萬字屋で、振袖新造やってたっ言うおなごだ。南町奉行所の息のかかった岡っ引きや下っ引きに調べさせたところによると……」
——も、もしかして……
「あいつら、しょっちゅう人目を忍んでは、吉原の端にある御堂で逢引してやがったらしい」
「……とまぁ、こういうこった」
多聞は流石においそれと明かせぬ「御前様」の件は伏せていたものの、兵馬に「想い人」がいたことは美鶴に正直に話した。
「おめぇさんには酷な話だがよ。
隠しておくよりゃ、知っておいた方がいいと思ってな」
多聞の話をじっと黙って聞いていた美鶴は、
「舅上様、わたくしのような者にさようにまでお気遣い賜り、誠にありがたきことにてござりまする」
深々と平伏した。
「……返す返すも兵馬の野郎にゃあ、もったいねえくれぇの嫁御だってんのによ」
一体だれに似たんだか、とぼやいて、はぁーっと多聞がため息を吐く。
「そいでもって、その『相手』だがよ」
美鶴は面を上げる。
「おめぇさんも、よっく知ってるおなごのはずさ」
——わたくしも、知っているとは……
「久喜萬字屋で、振袖新造やってたっ言うおなごだ。南町奉行所の息のかかった岡っ引きや下っ引きに調べさせたところによると……」
——も、もしかして……
「あいつら、しょっちゅう人目を忍んでは、吉原の端にある御堂で逢引してやがったらしい」