大江戸シンデレラ

「……旦那さま、いい加減になされませ。
いくら門内とは云え、かような(ところ)ではだれが聞き及んでおるかわかりませぬ」

美鶴は褄下(つました)に付いた土埃をパッパッと払いつつ、立ち上がった。

「もうすぐ、女中のおさと(・・・)が帰ってきますゆえ。
……(はよ)う家の中へお入りくだされ」


「おう、ようやっと家の中へ招いてくれるか」

兵馬も(なら)って、正座をしていた足を崩して立ち上がった。

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