停留所で一休み
「俺は営業だから……あってもないようなもんだよ。」

この時ばかりは、都心の大きな会社に働いてよかったなと思った。


そして問題は、ここから始まった。

「それで敬太と出海ちゃんは、何年振りに会うの?」

大和君が急に聞いてきた。

「えっ……いつ振り?高校、卒業して以来?」

「ウソつけ。5年だよ、5年。牧野の結婚式で会ってるつうの!」

「そうだっけ?」


焦る私。

弥生の結婚式で会った事、一切覚えていない。


「あと、成人式でも会ってるよ。一緒にみんなで写真撮ってるし!」

それだけ会ってて記憶がないのって、ものすごく嫌なことされて記憶末梢しているか、この人の存在が薄いかの、どちらかだと思うんだけど。
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