停留所で一休み
この時点で大和と弥生は、テーブルを叩きながら、大笑いしている。

「何よ!おっさんみたいな寝顔ってどんな顔よ!!」

「こんな顔。」

本村君はわざと、変な顔をした。


そんな話ばかりしていて、時間は12時を回り、久々の楽しい時間は、あっという間に過ぎた。

「小形はタクシーで帰るだろ?」

本村君は大通りを差した。

「ああ、私、歩いて帰れるから……」

私が反対方向へ歩こうとすると、本村君が私の腕を引っ張った。

「こんな時間、女が一人で歩いたら危ないから。ここで待ってて。今、タクシー捕まえてくる。」

男らしい発言に、胸がキュンとなる。

いやいや、大した意味はない。

自分に言い聞かせている私を置いて、本村君は大通りを歩いて行った。
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