停留所で一休み
人の話も一切聞かずに、一方的に励ましてくる。


「なんで私に、何かあったって分かるの?」

「だって出海は、、高校生の時から落ち込むと、堤防に昇って海眺めてたでしょう?」

高校生の頃から、か。

「弥生には、何でもお見通しってこと?」

「ん?まあ……そんなとこ?」

私はなぜか、ほんの少しだけ元気が出た。

「今日、大和君とは会わないの?」

「大和?ああ……今日は会う予定ないから。」

「何?婚約中なのに?」

私は弥生の腕を突っついた。


「はははっ!なんか、そのこともごめんね。」

「弥生?」

弥生は、無理に笑っているような気がした。

「相談しようと思ったこともあったけど、出海は真っ直ぐな性格だから、不倫してるなんて言ったら、嫌われるかなって思って……」
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