停留所で一休み
いつの間にか、大人という人種になってしまった証拠だ。

「大丈夫だ。おまえは、お父さんの子供だから。」


何年も何年も、ただ家族の為に働いてきたお父さん。

そんな人生は嫌だと、そんな人生だけは送りたくないと思っていた。


だけどその人生の中にも、つらい事があっただろうに。

悲しい事があっただろうに。

泣き叫ぶ時もあったろうに。

それでも、ひたすらじっと耐えてきたお父さん。


そんなお父さんに、俺の子供だから大丈夫と言ってもらえた。

私はただそれが嬉しくて。

ただ、父の側で小さくなり、泣き続けた。
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