停留所で一休み
「何にも間違ってないだろう。」

父は大きな声で、呑気に答えた。

「大体、自分の人生が間違っているかなんて、死ぬ時に分かるものだ。」

「お父さん……」

私が父を見ても、父は何事なかったかのように、釣糸を足らしている。

「出海…人生は七転び八起き。なあに倒れたら、笑いながら起き上がればいいだけの事だ。」

「うん…」

「それにな、幸せというのは、他人が決めることじゃない。おまえ自身が決める事だ、出海。自分が幸せだと思う人生を、自分自身で切り拓け。いいな。」

「うん…」

「何だ、そんなに小さくなって。おまえはいつまでも、倒れたままでいる弱い子じゃないだろう?」


30にもなって、親に子供扱いされるのが嬉しい。
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