停留所で一休み
今のタイミングで、向こうに行けないでしょ。

私はしばらく経ってから、後ろを振り返った。


「わっ!びっくりしたぁ!」

いつの間にか、あいつが私の後ろに立っていた。

私は身体を丸くして驚いているが、その目は真っ直ぐあいつを見つめていた。

あいつは少し微笑むと、ゆっくりと私に近づいた。

「仕事、いいの?」

「ああ、小形のお母さんがさ。」

「うん。」

「この前買ったカメラ付きのパソコンの説明は、また今度でいいから、おまえと話して来いって。」

「ええ~!お母さん、なんか誤解してんじゃないの?」

私が家の中をのぞくと、母親は柱の影から、ピースサインを出している。

「困るね。変な気、まわして。」
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