停留所で一休み
私は、頭をポリポリと掻く。

そう言えば一香には、今日帰るって言ってなかったっけ。

すると一香は、私の後ろにある、大きな荷物に気づいた。

「何、その荷物。」

「ああ!…実はさ、今日、東京に帰るんだ。」

一香の目が、満丸くなっている。

「克己の結婚式には、また帰ってくるからさ。」

見ると一香の方が、小刻みに震えている。

「もう~お姉ちゃんは、いっつも自分勝手なんだから!!」

「へ?」

「東京まで、何で帰ろうと思ってたの!!」

「何って、新幹線で……」

「駅までは!!」

「適当に、バスで……」

「私が駅まで送るよ!!」

怒りながら、玄関を勢いよく開ける一香。
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