停留所で一休み
「いいえ、とんでもない。」

西村部長は佳樹の上司だが、今まで一度も会ったことはなかった。

「西村部長。これは三課で、係長をしている、小形です。」

部長は横にいる私を紹介した。

「はじめまして、小形と申します。よろしくお願いします。」

「西村です。こちらこそ、よろしく。」

頭を上げると、向こうにある席に、若い男性が座っている。

西村部長が連れてきたお客様だろうか。


「部長、あちらの方は……」

私が部長達を見ると、既に自分達の話に没頭している。

「あの……」

私が申し訳なさそうに話しかけると、西村部長が教えてくれた。

「ああ、彼ね。今日からうちの営業部で、働く事になったヤツだよ。」
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