停留所で一休み
「ん?俺達の結婚の話だよ。」

「ええ~」

ええ~って言う割には、全然驚いてないよ、和希ちゃん。


「まだ早いんじゃない?お姉さんだって、結婚してないんだし。」

おっ! この子、案外まともな考え方してるじゃん。

「それに焦らなくてもいいよ。私、克己君以外の人とは結婚しないから。」

あっ、左様でございますか。


「ラブラブだね。」

「はい!」

私がテコを入れたのに、答えたのは克己じゃなくて和希ちゃんだった。

「そういう姉ちゃんだって、そんな話出る頃だろ?」

「そんな話?」

「結婚の話だよ。彼氏と付き合って、3年になるって言ってたじゃん。」

「ああ……」


すっかり忘れてた。

そんな話、克己にしてた事。


「本当なのか?出海。」

意外に反応したのは父の方だった。

「どうなんだよ、姉ちゃん。」

克己もウキウキしている。

「ああ…そういえばさ。その彼氏と別れたんだよね、私。」
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