碧い瞳のシャイ
夢見る丘の少女


少女は眠っていた

夢見る丘の真ん中で

「なぜ瞳を閉じてるの?」

その声に少女は目を覚ます

すると…

横たわる少女の瞳を

シャイが碧い瞳で覗いてる

少女は答える

「眠るためだよ」

「どうして眠るの…疲れたの?」

少女はまた答える

「違うよ…ここで眠ると、好きな夢を見せてくれるから」

「そう…現実では誰も君を認めてくれないんだね」

少女は驚いた

「心を覗いたの…」

「聞こえてきたんだよ…」

シャイは少女の隣にねっころがった

「こうして望むままの夢を見れたら楽しいね」

「楽しいよ…そのまま、その碧い瞳を閉じればいいんだよ」

シャイは碧い瞳を閉ざさずに

少女の瞳を見つめた

「ぼくね…ずっと名前が無かったんだ」

「どうして?」

「わかんない」

シャイは夢色の空を見上げた

「わかんないけど…ぼくのお庭に入ってきた人にしか付けてもらえないんだよ」

「へぇ~不思議…それで名前、付けてもらったの?」

少女はシャイのお話をもっと聞きたくなった

「うん!ぼくはシャイだよ!」

「シャイ…素敵な名前だね 」

「うん!」

シャイと夢中でおしゃべりしてた少女は

いつの間にか…

夢見る丘から離れていた

そして白い砂丘が現われる

「ここがシャイのお庭…」

「そうだよ…」

「わたしも行っていい?」

シャイは首を横に振る

「君の帰る場所はここじゃない…すぐ側に、君を認めてくれてる人たちがいるんだよ」

そう言ってシャイは

白い砂丘と共に消えた

独り残された少女は

急に家族に逢いたくなった

その時少女は

長い長い時の眠りから目を覚ます

家族の見守るベッドの上で…




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