ハイスペックなイケメン部長はオタク女子に夢中(完)
27.キレイな頼れる二人のお姉さま
金曜の晩は倉本からのメールで、倉本のコンペの題材だったイタリアンのPer teへ行くことに決まった。20時までには片付けるから、というメールに、やっぱり営業は忙しいんだなーと思いながらも、Per teはあやめの自宅から一駅分くらいしか離れておらず、歩ける距離なので、あやめはいったん帰宅してから店へ向った。地下という立地のせいか、少し入りにくい雰囲気はあったが、外で待つのも寒いし、とりあえず店に入った。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」とカウンターの男性に声を掛けられ、あやめは
「いえ、もう一人来る予定なんですが…」と答えると、
「ご予約のお客様ですか?」と聞かれ、予約が必要なの!ってか倉本さん予約とかしてくれたのかな…と焦りながら、
「予約してるかわからないんですけど…倉本で予約ありますか?」とあやめが聞くと、奥へ確認に行き、先程とは違うイケメン男性が
「お待ちしておりました。どうぞ。」とカウンター席へ案内してくれた。あれ?この人…「秘書」!?と思いながら、案内された席へ行くと、隣の席にすごく可愛い「秘書」の彼女が座っていた。あやめは内心すごく驚きながら、座ると
「あ、杏と約束してる人ですか?」と彼女に話しかけられた。あやめは、あんって?と思いながら、倉本杏奈だと気付き、
「あ、はい。倉本さんのお知り合いですか?」と聞き返した。日下部藍子と名乗った女性は、倉本の大学時代からの親友らしい。待ち合わせ時間を聞かれ、20時だと答えると、絶対まだ来ないから先に食べてた方が良いと、おすすめメニューを教えてくれた。キレイな人の周りにはキレイな人が集まるんだなと思いながら、あやめがメニューを見ていると、倉本から携帯に「誘っておいてごめん。ちょっと遅れそうだから先に食べてて。」という連絡が来た。ほらね、と笑う藍子にあやめもつられて笑い、言われた通りにおすすめのピザを注文した。フレンドリーに話してくれる藍子のお陰で、初めての店だが緊張せずに楽しく美味しく食事をすすめていると、20時半を過ぎて、慌てた様子の倉本が来店した。
「ごめん、遅くなって。」と謝る倉本に、大丈夫ですと言おうと思ったら、
「あれー、意外と早かったじゃん。」と藍子が言った。あやめも
「藍子さんが話しかけてくださったので、全然大丈夫ですよ。お先に頂いてます」と倉本に言った。倉本はホッとした様子で、あやめの隣に座った。三人で話していると、「秘書」が倉本の前にあたたかそうなペンネを出した。注文してないはずなのに…とあやめが不思議に思って見ていると、
「あやめちゃん、司はダメよ。」と藍子が言った。あやめはつかさって何だ?と思って藍子を見ると、倉本が笑いながら、
「司くん、ありがとう。吉田さんごめんね、司くんは藍子の彼氏だから。」と言った。あやめは意味を理解して、
「あぁ、大丈夫です。知ってます。っていうか、実は以前藍子さんたちを見かけたことがあって…」と以前駅前で見かけ、友人たちと二組の美男美女カップルにキャーキャー言っていたら、女性の一人が倉本が驚いたと説明した。
「なーんだ。良かった。あやめちゃんみたいに若くて可愛い子が司に言い寄ったらどうしようって結構焦ってたんだよ。」という藍子に、
「有り得ないですよ。こういうイケメンは遠くからたまに見るぐらいが丁度いいです。」とあやめが答えると、藍子は爆笑しながら、
「何それー?あやめちゃん、面白い。」と言った。倉本が
「イケメン嫌いなの?」と聞くので、
「嫌いとかじゃないんですけど、眩しすぎて隣にいると目がおかしくなっちゃいそうで。」とあやめは正直に答えた。あやめの言葉に二人共大爆笑し、
「あやめちゃん、可愛い顔してるのに、言うことめちゃくちゃ面白い。」と藍子が言った。あやめは極まじめに言ったつもりだが、二人には理解してもらえなかったようだ。
「イケメンの隣に並んでも見劣りしないキレイなお二人にはわからないですよね。」とあやめが呟くと、倉本は、
「吉田さんって、自分に自信がないタイプ?」と聞いた。あやめが頷くと、
「えー、何で?こんなに可愛いのに?」と藍子が言った。この人の目は可笑しいんじゃないか?と思いながら、
「藍子さん、可愛いっていうのは藍子さんみたいな人を言うんですよ。」とあやめが言うと、
「吉田さんだって、十分かわいくて魅力的だよ。話すともっと素敵だけど。」と倉本が言った。あやめが驚いて倉本を見ると、
「見た目の印象って中々変えられないけど、吉田さんは少し笑うだけで全然印象変わると思うなー。もしかして、会社では、意識的にあんまり目立たないようにしてる?」と聞いた。あやめは驚きながら、頷いて、この二人なら言っても大丈夫かなと、思い切って話し始めた。
「私、昔から見た目と性格のギャップが激しすぎるって言われることが多くて、ちゃんとメイクして笑ってると、ふわふわして天然っぽいって勝手なイメージが先行するみたいで、でも、実際は全然天然じゃないし、イラスト好きのオタクだし、結構はっきり物を言ってしまうんで、ちょっとでもそのギャップを少なくするように、気をつけようと思ってて、そしたら何か無表情になってしまってたみたいです。」と説明した。すると藍子は
「えー、勿体無いよ。そのギャップが良いんじゃん。」と言った。あやめが驚いてみると、倉本も、
「第一印象と違うって、私もよく言われたけど、気にする必要ないよ。せっかく可愛い顔してるのに、勿体無いよ。」と言った。
「そうだよ、可愛いんだから自信持って笑ったら良いよ。」と藍子が言うので、
「なんか藍子さんみたいな可愛い人に言われると…。」とあやめが言うと、
「私が言うんだから間違いないよ。」と藍子が胸を張って言った。あやめはその様子が可愛くて、笑いながら、
「藍子さんって見た目だけじゃなくてホントに可愛い人なんですね。」と言った。藍子は少し照れながら、
「やっぱりあやめちゃん、良い子だわ。でも、司はあげられないから。」と言った。あやめは笑いながら、
「だから、私はイケメンは遠くで時々見るくらいで十分なんですって。」と答えた。
金曜の晩は倉本からのメールで、倉本のコンペの題材だったイタリアンのPer teへ行くことに決まった。20時までには片付けるから、というメールに、やっぱり営業は忙しいんだなーと思いながらも、Per teはあやめの自宅から一駅分くらいしか離れておらず、歩ける距離なので、あやめはいったん帰宅してから店へ向った。地下という立地のせいか、少し入りにくい雰囲気はあったが、外で待つのも寒いし、とりあえず店に入った。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」とカウンターの男性に声を掛けられ、あやめは
「いえ、もう一人来る予定なんですが…」と答えると、
「ご予約のお客様ですか?」と聞かれ、予約が必要なの!ってか倉本さん予約とかしてくれたのかな…と焦りながら、
「予約してるかわからないんですけど…倉本で予約ありますか?」とあやめが聞くと、奥へ確認に行き、先程とは違うイケメン男性が
「お待ちしておりました。どうぞ。」とカウンター席へ案内してくれた。あれ?この人…「秘書」!?と思いながら、案内された席へ行くと、隣の席にすごく可愛い「秘書」の彼女が座っていた。あやめは内心すごく驚きながら、座ると
「あ、杏と約束してる人ですか?」と彼女に話しかけられた。あやめは、あんって?と思いながら、倉本杏奈だと気付き、
「あ、はい。倉本さんのお知り合いですか?」と聞き返した。日下部藍子と名乗った女性は、倉本の大学時代からの親友らしい。待ち合わせ時間を聞かれ、20時だと答えると、絶対まだ来ないから先に食べてた方が良いと、おすすめメニューを教えてくれた。キレイな人の周りにはキレイな人が集まるんだなと思いながら、あやめがメニューを見ていると、倉本から携帯に「誘っておいてごめん。ちょっと遅れそうだから先に食べてて。」という連絡が来た。ほらね、と笑う藍子にあやめもつられて笑い、言われた通りにおすすめのピザを注文した。フレンドリーに話してくれる藍子のお陰で、初めての店だが緊張せずに楽しく美味しく食事をすすめていると、20時半を過ぎて、慌てた様子の倉本が来店した。
「ごめん、遅くなって。」と謝る倉本に、大丈夫ですと言おうと思ったら、
「あれー、意外と早かったじゃん。」と藍子が言った。あやめも
「藍子さんが話しかけてくださったので、全然大丈夫ですよ。お先に頂いてます」と倉本に言った。倉本はホッとした様子で、あやめの隣に座った。三人で話していると、「秘書」が倉本の前にあたたかそうなペンネを出した。注文してないはずなのに…とあやめが不思議に思って見ていると、
「あやめちゃん、司はダメよ。」と藍子が言った。あやめはつかさって何だ?と思って藍子を見ると、倉本が笑いながら、
「司くん、ありがとう。吉田さんごめんね、司くんは藍子の彼氏だから。」と言った。あやめは意味を理解して、
「あぁ、大丈夫です。知ってます。っていうか、実は以前藍子さんたちを見かけたことがあって…」と以前駅前で見かけ、友人たちと二組の美男美女カップルにキャーキャー言っていたら、女性の一人が倉本が驚いたと説明した。
「なーんだ。良かった。あやめちゃんみたいに若くて可愛い子が司に言い寄ったらどうしようって結構焦ってたんだよ。」という藍子に、
「有り得ないですよ。こういうイケメンは遠くからたまに見るぐらいが丁度いいです。」とあやめが答えると、藍子は爆笑しながら、
「何それー?あやめちゃん、面白い。」と言った。倉本が
「イケメン嫌いなの?」と聞くので、
「嫌いとかじゃないんですけど、眩しすぎて隣にいると目がおかしくなっちゃいそうで。」とあやめは正直に答えた。あやめの言葉に二人共大爆笑し、
「あやめちゃん、可愛い顔してるのに、言うことめちゃくちゃ面白い。」と藍子が言った。あやめは極まじめに言ったつもりだが、二人には理解してもらえなかったようだ。
「イケメンの隣に並んでも見劣りしないキレイなお二人にはわからないですよね。」とあやめが呟くと、倉本は、
「吉田さんって、自分に自信がないタイプ?」と聞いた。あやめが頷くと、
「えー、何で?こんなに可愛いのに?」と藍子が言った。この人の目は可笑しいんじゃないか?と思いながら、
「藍子さん、可愛いっていうのは藍子さんみたいな人を言うんですよ。」とあやめが言うと、
「吉田さんだって、十分かわいくて魅力的だよ。話すともっと素敵だけど。」と倉本が言った。あやめが驚いて倉本を見ると、
「見た目の印象って中々変えられないけど、吉田さんは少し笑うだけで全然印象変わると思うなー。もしかして、会社では、意識的にあんまり目立たないようにしてる?」と聞いた。あやめは驚きながら、頷いて、この二人なら言っても大丈夫かなと、思い切って話し始めた。
「私、昔から見た目と性格のギャップが激しすぎるって言われることが多くて、ちゃんとメイクして笑ってると、ふわふわして天然っぽいって勝手なイメージが先行するみたいで、でも、実際は全然天然じゃないし、イラスト好きのオタクだし、結構はっきり物を言ってしまうんで、ちょっとでもそのギャップを少なくするように、気をつけようと思ってて、そしたら何か無表情になってしまってたみたいです。」と説明した。すると藍子は
「えー、勿体無いよ。そのギャップが良いんじゃん。」と言った。あやめが驚いてみると、倉本も、
「第一印象と違うって、私もよく言われたけど、気にする必要ないよ。せっかく可愛い顔してるのに、勿体無いよ。」と言った。
「そうだよ、可愛いんだから自信持って笑ったら良いよ。」と藍子が言うので、
「なんか藍子さんみたいな可愛い人に言われると…。」とあやめが言うと、
「私が言うんだから間違いないよ。」と藍子が胸を張って言った。あやめはその様子が可愛くて、笑いながら、
「藍子さんって見た目だけじゃなくてホントに可愛い人なんですね。」と言った。藍子は少し照れながら、
「やっぱりあやめちゃん、良い子だわ。でも、司はあげられないから。」と言った。あやめは笑いながら、
「だから、私はイケメンは遠くで時々見るくらいで十分なんですって。」と答えた。