ハイスペックなイケメン部長はオタク女子に夢中(完)
30.交換条件
二度目の北見宅は、この間より少し散らかっていた。
「すぐ片付けるから、とりあえず、生物冷蔵庫に入れてて。」とキッチンに案内され、大きな冷蔵庫を開けると、見事に空っぽで、飲み物やマヨネーズなどが少しあるくらいだった。ホントに自炊しないんだなーと思いながら、案外広いキレイなキッチンを見渡していると、
出しっぱなしになっていた服などを寝室に入れに行っていた北見が
「コーヒーでも淹れるよ。あっち、適当に座ってて」とキッチンに入ってきた。あやめは
「はい、ありがとうございます。」とキッチンを出て、リビングのソファーに座り、キョロキョロと部屋を見渡した。やっぱり広いしオシャレな部屋だなーと思っていると、北見がコーヒーを持ってきた。
「インスタントで悪いけど。」と言って差し出されたカップをあやめが受け取ると、北見もソファーに腰掛け、コーヒーを一口啜った。
「こうやって部屋についてきてくれたってことは、オレ、少しは期待して良いのかな?」と北見の言葉に、あやめは、
「正直、よくわからないんです。北見部長がなんで私なんかに興味を持ったのか。」と言った。
「それは、吉田さんが魅力的だからだよ。全然知らない顔をどんどん見せてくれる吉田さんに、他にどんな顔があるんだろうって、気になって仕方ないよ。もっと色んな顔をみたい。」と北見が言った。あやめは、
「私北見部長が思う程、色んな顔持っていません。ちょっとオタク気味ではありますけど、ごく普通の人間で、何の面白みもありません。この間、北見部長に好きって言われて…色々考えたんですけど、考えても考えてもわからなくって…。」と言った。
「好きになるのに理由なんかないよ。」と北見は言った。あやめは
「そういうことなんでしょうね。でも、私、北見部長のこと何も知らないんで、そう言われても何の判断材料もなくって…。だから、もっと北見部長のこと知りたいなって思ったんです。」と言った。北見は驚いた表情であやめを見て、
「それって…付き合ってくれるってこと?」と聞いた。あやめは
「正直なところ、北見部長を好きか嫌いかまだわからないんですけど…でも、北見部長のこともっと知りたいとは思います。きっと北見部長も私の事もっと知れば、嫌いになると思うし…。」とあやめが言うと、北見はあやめをギュッと横から抱きしめて、
「ありがとう。」と言った。あやめは、お礼を言われる理由が分からなかったが、
「絶対好きにしてみせるから。」と言われ、あやめは思わずクスッと笑った。北見が耳元で
「余裕だね、あやめ。この状況ちゃんと理解してる?あやめのこと好きだっていってる男の部屋に来て、その男に抱きしめられてるんだよ。」と言った。あやめは、確かにそうだなーと他人事のように思いながら、北見の腕をトントンと叩いた。北見は腕の力を弱めてあやめの顔が見えるようにした。
「近すぎるから離れて下さい。」とあやめが冷たく言うと、北見は少しシュンとなって腕を離した。何か意外と素直で可愛い人だなと思いながら、
「会社の人には言わないで下さいね。私、お姉さま方に刺されたくないんで。」とあやめが言うと、北見は、
「え?内緒にできるかなぁ。」と言った。あやめが、
「私の平穏が壊されるくらいなら、北見部長のこと知らないままでもいいです。」と言って立ち上がろうとすると、
「わかった。内緒にします。」と、北見は焦ったようにあやめの手を掴んで座らせると、
「その代わり、会社以外では容赦しないから。」とあやめの両肩を掴み目を見て言った。あまりの色っぽさに、あやめが
「か、身体が目的ですか?」と呟くと、北見は、
「んなわけないだろ。そりゃー出来るなら今すぐ押し倒してオレのものにしたいって気持ちはあるけど、そんなことしたらもう二度とあやめに近づけないだろ。オレは気持ちがないのに身体だけ繋げるなんて出来ないから。」とがっくりして言った。あやめが
「安心しました。」と言うと、北見はフーと息をついて、
「でも、そばにいるとあやめに触れたくなる。」と言って、あやめの手を取った。あやめが振り払わずにいると、
「これは許容範囲?」と北見が聞いた。あやめが、
「はい。嫌な時は嫌ですって言います。」と答えると、北見は
「そう言えば、嫌ですって即答されたもんね。」と笑った。あやめも笑いながら、そういうのはもうこの人にはバレてるんだなーと思った。
「ところで、あやめ、この後の予定は?」と北見が聞いた。あやめが
「特にないですけど、買った食料の下処理くらいですかね。北見部長は?」と答えると、
「まずその、北見部長っていうのやめてくれない?」と言った。あやめが
「じゃぁ何と呼べばいいですか?」と聞くと、
「役職じゃなければなんでも良い。あと、二人の時は敬語もやめてほしいな。」と言った。あやめは少し考えて、
「北見さん?」と言うと、
「却下。」と即答され、少し考えて、
「じゃぁ、まーくん?」と笑いながら言うと、北見は
「あやめが本当にそう呼びたいなら良いよ。」と苦笑いをした。まーくんとよびたいかどうかを考えて、そうでもないな、と思い直して、
「んー、じゃぁどう呼ぶか考えときます。」とあやめは言った。北見は笑って、
「予定ないなら、一緒にランチでも行かない?」と言った。あやめが頷くと、北見は、ちょっと着替えてくると言った。あやめが
「どこに行きます?」と聞くと、
「どこでも良いけど、時間あるならちょっとドライブも兼ねて横浜とか行く?」と言った。あやめが嬉しそうに
「中華街?」と聞くと、北見は笑って、
「あやめが行きたいなら。」と答えた。あやめが
「行きたいです。」と答えると、北見は着替えに寝室に入った。デニムにベージュのVネックセーター、焦茶色のコートを持った北見が出てくると、あやめは、自分の服装を思い出し、
「あの、私も一度着替えに帰ってもいいですか?」と聞いた。北見は
「別にそのままでも良くない?」と不思議そうな顔をした。あやめが、
「この格好で、中華街をイケメンと歩く勇気ありません。」と言うと、北見は笑って、
「ま、いいよ、とりあえず、家まで送ってく。」と言って車で3分ほどのあやめの自宅に送ってくれた。
二度目の北見宅は、この間より少し散らかっていた。
「すぐ片付けるから、とりあえず、生物冷蔵庫に入れてて。」とキッチンに案内され、大きな冷蔵庫を開けると、見事に空っぽで、飲み物やマヨネーズなどが少しあるくらいだった。ホントに自炊しないんだなーと思いながら、案外広いキレイなキッチンを見渡していると、
出しっぱなしになっていた服などを寝室に入れに行っていた北見が
「コーヒーでも淹れるよ。あっち、適当に座ってて」とキッチンに入ってきた。あやめは
「はい、ありがとうございます。」とキッチンを出て、リビングのソファーに座り、キョロキョロと部屋を見渡した。やっぱり広いしオシャレな部屋だなーと思っていると、北見がコーヒーを持ってきた。
「インスタントで悪いけど。」と言って差し出されたカップをあやめが受け取ると、北見もソファーに腰掛け、コーヒーを一口啜った。
「こうやって部屋についてきてくれたってことは、オレ、少しは期待して良いのかな?」と北見の言葉に、あやめは、
「正直、よくわからないんです。北見部長がなんで私なんかに興味を持ったのか。」と言った。
「それは、吉田さんが魅力的だからだよ。全然知らない顔をどんどん見せてくれる吉田さんに、他にどんな顔があるんだろうって、気になって仕方ないよ。もっと色んな顔をみたい。」と北見が言った。あやめは、
「私北見部長が思う程、色んな顔持っていません。ちょっとオタク気味ではありますけど、ごく普通の人間で、何の面白みもありません。この間、北見部長に好きって言われて…色々考えたんですけど、考えても考えてもわからなくって…。」と言った。
「好きになるのに理由なんかないよ。」と北見は言った。あやめは
「そういうことなんでしょうね。でも、私、北見部長のこと何も知らないんで、そう言われても何の判断材料もなくって…。だから、もっと北見部長のこと知りたいなって思ったんです。」と言った。北見は驚いた表情であやめを見て、
「それって…付き合ってくれるってこと?」と聞いた。あやめは
「正直なところ、北見部長を好きか嫌いかまだわからないんですけど…でも、北見部長のこともっと知りたいとは思います。きっと北見部長も私の事もっと知れば、嫌いになると思うし…。」とあやめが言うと、北見はあやめをギュッと横から抱きしめて、
「ありがとう。」と言った。あやめは、お礼を言われる理由が分からなかったが、
「絶対好きにしてみせるから。」と言われ、あやめは思わずクスッと笑った。北見が耳元で
「余裕だね、あやめ。この状況ちゃんと理解してる?あやめのこと好きだっていってる男の部屋に来て、その男に抱きしめられてるんだよ。」と言った。あやめは、確かにそうだなーと他人事のように思いながら、北見の腕をトントンと叩いた。北見は腕の力を弱めてあやめの顔が見えるようにした。
「近すぎるから離れて下さい。」とあやめが冷たく言うと、北見は少しシュンとなって腕を離した。何か意外と素直で可愛い人だなと思いながら、
「会社の人には言わないで下さいね。私、お姉さま方に刺されたくないんで。」とあやめが言うと、北見は、
「え?内緒にできるかなぁ。」と言った。あやめが、
「私の平穏が壊されるくらいなら、北見部長のこと知らないままでもいいです。」と言って立ち上がろうとすると、
「わかった。内緒にします。」と、北見は焦ったようにあやめの手を掴んで座らせると、
「その代わり、会社以外では容赦しないから。」とあやめの両肩を掴み目を見て言った。あまりの色っぽさに、あやめが
「か、身体が目的ですか?」と呟くと、北見は、
「んなわけないだろ。そりゃー出来るなら今すぐ押し倒してオレのものにしたいって気持ちはあるけど、そんなことしたらもう二度とあやめに近づけないだろ。オレは気持ちがないのに身体だけ繋げるなんて出来ないから。」とがっくりして言った。あやめが
「安心しました。」と言うと、北見はフーと息をついて、
「でも、そばにいるとあやめに触れたくなる。」と言って、あやめの手を取った。あやめが振り払わずにいると、
「これは許容範囲?」と北見が聞いた。あやめが、
「はい。嫌な時は嫌ですって言います。」と答えると、北見は
「そう言えば、嫌ですって即答されたもんね。」と笑った。あやめも笑いながら、そういうのはもうこの人にはバレてるんだなーと思った。
「ところで、あやめ、この後の予定は?」と北見が聞いた。あやめが
「特にないですけど、買った食料の下処理くらいですかね。北見部長は?」と答えると、
「まずその、北見部長っていうのやめてくれない?」と言った。あやめが
「じゃぁ何と呼べばいいですか?」と聞くと、
「役職じゃなければなんでも良い。あと、二人の時は敬語もやめてほしいな。」と言った。あやめは少し考えて、
「北見さん?」と言うと、
「却下。」と即答され、少し考えて、
「じゃぁ、まーくん?」と笑いながら言うと、北見は
「あやめが本当にそう呼びたいなら良いよ。」と苦笑いをした。まーくんとよびたいかどうかを考えて、そうでもないな、と思い直して、
「んー、じゃぁどう呼ぶか考えときます。」とあやめは言った。北見は笑って、
「予定ないなら、一緒にランチでも行かない?」と言った。あやめが頷くと、北見は、ちょっと着替えてくると言った。あやめが
「どこに行きます?」と聞くと、
「どこでも良いけど、時間あるならちょっとドライブも兼ねて横浜とか行く?」と言った。あやめが嬉しそうに
「中華街?」と聞くと、北見は笑って、
「あやめが行きたいなら。」と答えた。あやめが
「行きたいです。」と答えると、北見は着替えに寝室に入った。デニムにベージュのVネックセーター、焦茶色のコートを持った北見が出てくると、あやめは、自分の服装を思い出し、
「あの、私も一度着替えに帰ってもいいですか?」と聞いた。北見は
「別にそのままでも良くない?」と不思議そうな顔をした。あやめが、
「この格好で、中華街をイケメンと歩く勇気ありません。」と言うと、北見は笑って、
「ま、いいよ、とりあえず、家まで送ってく。」と言って車で3分ほどのあやめの自宅に送ってくれた。