ハイスペックなイケメン部長はオタク女子に夢中(完)
33.今日の思い出
美味しい美味しいと絶賛する北見は、ちょっと食べ過ぎじゃないかと心配したが、本人は至って平気そうだった。
「きんぴらは2~3日なら冷蔵保存できるから、おつまみにしてもらえるかと思って多めに作ったんだけど」とあやめが言うと、北見は
「え?そうなの?でも、美味しいから残しとくとかムリ。」と言って、多めに作ったはずのぬた和えもきんぴらごぼうも完食してしまった。ごちそうさまと手を合わせた北見は
「ねぇ、あやめ、明日の予定は?」と聞いた。明日も休みのあやめは、特に予定はないが、今日行った中華街のイメージを失わないうちにイラストを描きたいと思っていた。
「明日は…イラストを描こうかなって思ってます。」とあやめが言うと、北見は
「どこか行くの?」と聞くので、
「いえ、どこかに行くわけじゃなくって、今日連れて行ってもらった中華街のイメージを忘れないうちに色々描いときたいなって思って…。」と答えた。北見は驚いた顔をして、
「あやめって、イラストは何で描いてるの?」と聞いた。あやめは
「下絵っていうか、落書きみたいな構想は基本的に紙ですけど、最近はほとんどMacです。」と答えた。
「描いてるとこ見たい。」と北見が言った。あやめは驚きながら、
「え?描いてるとこって…別に普通ですよ。」と言うと、
「じゃぁ、今何か描いてって言ったら描いてくれる?」と北見は言った。あやめは戸惑いながらも頷くと、北見は寝室とは別の部屋に行って、スケッチブックと色鉛筆を持ってきた。「何を描けばいいですか?」と聞くと、
「今日の思い出」と北見は言った。あやめは思わず
「何か小学生の夏休みの宿題みたい。」と言いながら、思いつくままに中華街で食べた小籠包、雑貨屋で見たチャイナドレス、オシャレなペアグラス、帰りの車で遠くに見えた観覧車、カップ麺容器のお味噌汁とおにぎりをササッと周りに殴り描きをし、中央に満面の笑みの北見の似顔絵を描いて、その手に菖蒲の葉を持たせた。あやめは、自分がいる場所も北見が見ていることもすっかり忘れて、30分ほどで集中して描き終えた。フと顔を上げて、自分の居場所を思い出し、しまった…と思った時にはもう遅く、ばっちり目があった北見に
「出来た?」と聞かれ、あやめは固まってしまった。
「見せて。」と言いながらあやめの後ろに立った北見は、スケッチブックを見て息を呑んだ。あやめは、あー、ドン引きされる…と思いながら、肩をすぼめて北見の反応を待つと、突然後ろから強く抱きしめられた。驚きで再び固まってしまったあやめに、
「コレってオレだよね?」と北見は中央の似顔絵を指した。あやめが
「すみません。」と謝ると、
「何で謝るの?オレ、今すげー感動してるんだけど。」と言った。あやめが驚いて振り返ると、絵と同じ満面の笑みの北見の顔がすぐ目の前に見えた。あまりの至近距離に赤面し、うつむくと、
「この小籠包、確かにうまかった。あのチャイナドレスも、このペアグラスもやっぱり買っとけばよかったなぁ。観覧車、今度あやめと乗りたいなってあの時オレも思った。カップ麺の容器は、申し訳ないなって思ったけど…これもいい思い出だね。でも一番嬉しいのは、あやめの今日の思い出の真ん中にオレがいるってことでしょ?何で葉っぱ持ってんのかはわかんないけど。」と北見が言った。
「菖蒲の葉です。」とあやめが言うと、北見は笑って、
「だったらせめて花を描いてよ。」と言った。北見が引かなかったことに驚きながらもあやめが
「いや花に申し訳ないんで…」と答えると、北見は、
「ちょっと貸して。」と言って、スケッチブックを手に取ると、もう片方の手であやめの手をとり、先程スケッチブックを取りに行った部屋に入った。書斎?というよりも、作業場といった感じのその部屋には、Air macやMac pro、大きなモニターにスキャナープリンター、その隣には模造紙、色彩本、スケッチブック数冊に絵の具、クレパス等様々なものが置いてあった。北見はモニターの前に座ると、Macと、スキャナーを起動させ、あやめが描いた絵を読み取り、イラストレーターを起動させ、マウスをクリックして葉っぱの部分を切り取り、どこかから探してきた菖蒲の花の画像を貼り付けると、今度は花を持った手の部分を選択して、中央の絵の顔の横に並べた。口元を選択して、何か作業をし、今度は花の部分を選択して作業をし、何をしているのだろう?とあやめが覗き込むと、北見はニヤッと笑って、
「よく見てて。」と言い、北見がクリックをすると、花がイラストの口とキスするような動きをした。あやめが驚いて
「すごい!」と言うと、北見はあやめの頬にチュッとキスをした。あやめは驚いて北見を見ると、
「ごめん、我慢できなかった。」と北見は顔を赤くして言った。あやめはその顔を見ながら、あーこの人を好きにならないなんて、絶対無理だ…と思った。例え騙されていたとしてももう良いやと思うと、まだ赤い北見の頬に今度はあやめがキスをした。驚いた表情の北見に、あやめは
「お返しです。」と呟いた。北見は、立ち上がるとあやめの手を引いてリビングのソファーへ移動し、あやめを座らせると、すぐ隣に座り、
「ねぇ、あやめ、今日、オレと一日過ごしてみてどうだった?」と聞いた。あやめは
「すごく楽しかったです。」と答えると、
「良かった。オレも、すごい楽しかった。明日も一緒にいたい。あやめが描いてるの見てるだけでも良いから。」と北見は言った。あやめは
「あの、あっちの部屋に絵の具とかクレパスとか色々あったってことは、雅也さんも何か描いたりするんですか?」とあやめは気になっていたことを聞いた。北見は
「あやめみたいには描けないけど、画面上じゃなく実際に絵の具で色を載せるとどういう感じなのか?って研究するために使っただけ。宝の持ち腐れだよね。」と言った。あやめは
「じゃぁ、明日、あの絵の具使わせてもらっても良いですか?」と聞いた。北見は、
「ここで描いてくれるってこと?」と聞いた。あやめは、
「久々に色鉛筆で描いたら、絵の具でも描いてみたくなって。そしたら、目の前に絵の具が見えたんで…。場所代と絵の具代として、明日の食事は私が作るってことでどうですか?」と聞いた。北見は
「場所代も絵の具代も入らないけど、あやめの作るご飯は食べたい。とりあえず、明日の朝、食器買いに行かない?」と言った。あやめが
「わざわざ買うのも勿体無いし、アレで大丈夫ですよ」と言うと、
「ここで使うあやめの食器ぐらい買わせて。一応役職付きでそれなりに稼いでるんだから。」と北見が言った。あやめが、
「そうでした、北見部長。」と呟くと、北見は笑って、あやめの頭を撫でた。
美味しい美味しいと絶賛する北見は、ちょっと食べ過ぎじゃないかと心配したが、本人は至って平気そうだった。
「きんぴらは2~3日なら冷蔵保存できるから、おつまみにしてもらえるかと思って多めに作ったんだけど」とあやめが言うと、北見は
「え?そうなの?でも、美味しいから残しとくとかムリ。」と言って、多めに作ったはずのぬた和えもきんぴらごぼうも完食してしまった。ごちそうさまと手を合わせた北見は
「ねぇ、あやめ、明日の予定は?」と聞いた。明日も休みのあやめは、特に予定はないが、今日行った中華街のイメージを失わないうちにイラストを描きたいと思っていた。
「明日は…イラストを描こうかなって思ってます。」とあやめが言うと、北見は
「どこか行くの?」と聞くので、
「いえ、どこかに行くわけじゃなくって、今日連れて行ってもらった中華街のイメージを忘れないうちに色々描いときたいなって思って…。」と答えた。北見は驚いた顔をして、
「あやめって、イラストは何で描いてるの?」と聞いた。あやめは
「下絵っていうか、落書きみたいな構想は基本的に紙ですけど、最近はほとんどMacです。」と答えた。
「描いてるとこ見たい。」と北見が言った。あやめは驚きながら、
「え?描いてるとこって…別に普通ですよ。」と言うと、
「じゃぁ、今何か描いてって言ったら描いてくれる?」と北見は言った。あやめは戸惑いながらも頷くと、北見は寝室とは別の部屋に行って、スケッチブックと色鉛筆を持ってきた。「何を描けばいいですか?」と聞くと、
「今日の思い出」と北見は言った。あやめは思わず
「何か小学生の夏休みの宿題みたい。」と言いながら、思いつくままに中華街で食べた小籠包、雑貨屋で見たチャイナドレス、オシャレなペアグラス、帰りの車で遠くに見えた観覧車、カップ麺容器のお味噌汁とおにぎりをササッと周りに殴り描きをし、中央に満面の笑みの北見の似顔絵を描いて、その手に菖蒲の葉を持たせた。あやめは、自分がいる場所も北見が見ていることもすっかり忘れて、30分ほどで集中して描き終えた。フと顔を上げて、自分の居場所を思い出し、しまった…と思った時にはもう遅く、ばっちり目があった北見に
「出来た?」と聞かれ、あやめは固まってしまった。
「見せて。」と言いながらあやめの後ろに立った北見は、スケッチブックを見て息を呑んだ。あやめは、あー、ドン引きされる…と思いながら、肩をすぼめて北見の反応を待つと、突然後ろから強く抱きしめられた。驚きで再び固まってしまったあやめに、
「コレってオレだよね?」と北見は中央の似顔絵を指した。あやめが
「すみません。」と謝ると、
「何で謝るの?オレ、今すげー感動してるんだけど。」と言った。あやめが驚いて振り返ると、絵と同じ満面の笑みの北見の顔がすぐ目の前に見えた。あまりの至近距離に赤面し、うつむくと、
「この小籠包、確かにうまかった。あのチャイナドレスも、このペアグラスもやっぱり買っとけばよかったなぁ。観覧車、今度あやめと乗りたいなってあの時オレも思った。カップ麺の容器は、申し訳ないなって思ったけど…これもいい思い出だね。でも一番嬉しいのは、あやめの今日の思い出の真ん中にオレがいるってことでしょ?何で葉っぱ持ってんのかはわかんないけど。」と北見が言った。
「菖蒲の葉です。」とあやめが言うと、北見は笑って、
「だったらせめて花を描いてよ。」と言った。北見が引かなかったことに驚きながらもあやめが
「いや花に申し訳ないんで…」と答えると、北見は、
「ちょっと貸して。」と言って、スケッチブックを手に取ると、もう片方の手であやめの手をとり、先程スケッチブックを取りに行った部屋に入った。書斎?というよりも、作業場といった感じのその部屋には、Air macやMac pro、大きなモニターにスキャナープリンター、その隣には模造紙、色彩本、スケッチブック数冊に絵の具、クレパス等様々なものが置いてあった。北見はモニターの前に座ると、Macと、スキャナーを起動させ、あやめが描いた絵を読み取り、イラストレーターを起動させ、マウスをクリックして葉っぱの部分を切り取り、どこかから探してきた菖蒲の花の画像を貼り付けると、今度は花を持った手の部分を選択して、中央の絵の顔の横に並べた。口元を選択して、何か作業をし、今度は花の部分を選択して作業をし、何をしているのだろう?とあやめが覗き込むと、北見はニヤッと笑って、
「よく見てて。」と言い、北見がクリックをすると、花がイラストの口とキスするような動きをした。あやめが驚いて
「すごい!」と言うと、北見はあやめの頬にチュッとキスをした。あやめは驚いて北見を見ると、
「ごめん、我慢できなかった。」と北見は顔を赤くして言った。あやめはその顔を見ながら、あーこの人を好きにならないなんて、絶対無理だ…と思った。例え騙されていたとしてももう良いやと思うと、まだ赤い北見の頬に今度はあやめがキスをした。驚いた表情の北見に、あやめは
「お返しです。」と呟いた。北見は、立ち上がるとあやめの手を引いてリビングのソファーへ移動し、あやめを座らせると、すぐ隣に座り、
「ねぇ、あやめ、今日、オレと一日過ごしてみてどうだった?」と聞いた。あやめは
「すごく楽しかったです。」と答えると、
「良かった。オレも、すごい楽しかった。明日も一緒にいたい。あやめが描いてるの見てるだけでも良いから。」と北見は言った。あやめは
「あの、あっちの部屋に絵の具とかクレパスとか色々あったってことは、雅也さんも何か描いたりするんですか?」とあやめは気になっていたことを聞いた。北見は
「あやめみたいには描けないけど、画面上じゃなく実際に絵の具で色を載せるとどういう感じなのか?って研究するために使っただけ。宝の持ち腐れだよね。」と言った。あやめは
「じゃぁ、明日、あの絵の具使わせてもらっても良いですか?」と聞いた。北見は、
「ここで描いてくれるってこと?」と聞いた。あやめは、
「久々に色鉛筆で描いたら、絵の具でも描いてみたくなって。そしたら、目の前に絵の具が見えたんで…。場所代と絵の具代として、明日の食事は私が作るってことでどうですか?」と聞いた。北見は
「場所代も絵の具代も入らないけど、あやめの作るご飯は食べたい。とりあえず、明日の朝、食器買いに行かない?」と言った。あやめが
「わざわざ買うのも勿体無いし、アレで大丈夫ですよ」と言うと、
「ここで使うあやめの食器ぐらい買わせて。一応役職付きでそれなりに稼いでるんだから。」と北見が言った。あやめが、
「そうでした、北見部長。」と呟くと、北見は笑って、あやめの頭を撫でた。