前略、さよなら
こんな事態を
私は予想できた。
前に陽からこの話を聞いていた。
そのとき私は
その話を信じて
陽と一緒に祠を探したんだ。
結局見つからなかったけど。
私はふいっと、目を逸らした。
逸らしてしまった瞬間
心臓はしゅっと窄まり
胸はブリキ人形の関節のように軋んだ。
昔はこんなんじゃなかった。
あの頃は
おばけも宇宙人もサンタクロースも
頭では認めなくても
心のどこかではいると思っていた。
しゃっくり100回したら死ぬかも
とビクビクしていたし
図工室前の薄暗いトイレの一番奥には
花子さんがいるかもと避けていた。
小さい頃だって
決して感情豊かな方ではなかったけど
少なくとも今みたいに
キョロキョロ周囲の顔色を
窺ったりなんかしなかった。