しあわせ食堂の異世界ご飯3
「なんだこれ、匂いだけでこんなにむせるなんて……食えるのか?」
「やだな、食べられるよ」
「だからって、辛すぎるだろ……」
 何事にも限度はあると、カミルが言う。
 しかしローズマリーは激辛好きなので、これくらいがちょうどいいのだ。嗜好は人それぞれなので、嫌いな人に無理強いはしないが好きならぜひ味わってもらいたい。
「私もそこまで得意っていうわけじゃないから、全部食べるのは厳しいんだけどね」
 一人前は厳しいけれど、半人前くらいならちょうどいいかもしれない。
 アリアがそう告げるとカミルは驚いて、カレーとアリアを交互に見る。
「……アリアでも食えないものがあるのか」
「私をなんだと思ってるの、もう」
 いくら料理好きで、幼いころからなんでも口に入れてしまったアリアでも、得意なものと不得意なものくらいはちゃんとある。
 飲食店の通常メニューで出される範囲のものであれば、問題なく食べることはできるけれど。
 できあがったカレーとナンを盛りつけると、普段しあわせ食堂で出しているものよりも一段華やかになった。
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