しあわせ食堂の異世界ご飯3
ローズマリーはそんな最上位である料理人よりも、アリアの作った料理の方が美味しいときっぱり言ったのだ。
 少し机から体を乗り出して、「ねぇ?」とローズマリーは問いかける。
「アリア様は、どうしてそんなに料理がお上手なのかしら。……調べてみたけれど、普段から料理が好き……っていうことくらいしか、わからなかったの」
 何か大きな秘密があるかと思ったのにと、ローズマリーは微笑む。
 アリアが作り出す、見たことのない料理の発信源をしりたかったのだろう。書物から学んだ? それとも、エストレーラの伝統料理?
 いいえ、すべて違う。
 料理の知識は、元々アリアの中にあるのだから。
(まさか違う世界の料理……なんて、言うわけにもいかないしね)
 かといって、図々しく自分で考えた料理ですと言うつもりもない。アリアは誤魔化すように微笑み、紅茶と一緒に浮かんだ言葉も飲み込んでしまう。
「……そういえば、王城の様子はどうですか?」
 あまり続けるのはよくない話題だったので、そっと違う話を振る。
 ローズマリーはくすりと笑って、「まぁいいわ」とアリアの案にあえて乗ってくれたようだ。
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