しあわせ食堂の異世界ご飯3
「とっても美味しい高級食材、ハバロの実ですよ」
「ひ……っ! これがあのハバロ……」
 食べたことがなくとも、名前くらいは知っている。
 これを食すと天国が見える――なんていう噂があるくらいだ。
 男が食べずに激辛カレーを見つめていると、エマが「なんだい」と声をかける。
「自分は辛口のカレーが食べれないことを馬鹿にしたのに、あんたも食べられないんじゃないかい」
「そ、それは……だけど、このカレーは食いもんじゃないだろ!」
 次元が違うだろ!
 ――と、男が叫ぶのと同時に、アリアがひょいっとカレーを食べてしまった。
「え……っ!?」
「アリアちゃん、あんた……」
「…………」
 大丈夫なのかい? というエマの言葉を聞く前に、アリアは笑顔で頷いた。
「確かに辛いですけど、美味しいですよ? カレー」
「……す、すげぇ」
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