しあわせ食堂の異世界ご飯3
まさかこんな辛いカレーを食べるなんてと、店内にどよめき起こる。しかも平然としているのだから、驚くしかない。
「食べますか? どうしますか?」
「……ひ、ひとくち」
「どうぞ」
 アリアが軽く食べたのだから、もしかしたら匂いと見た目に反してそれほど辛くはないのかもしれない。
 そう考え、男は意を決しカレーを口に含み――
「――――っ!!」
 言葉を発することなく、撃沈した。
「ひぃっ」
 残りのふたりはそれを見て、すぐさま辛口が苦手だと言った男性を見て頭を下げた。
「悪かった! 辛さの好みは人それぞれだ!! 自分が好きなものを食べるのが一番いいと思う!!」
「すまなかった! カレーは辛くなくたって超美味いんだから、どっちを食べようが関係なかったんだ!!」
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