しあわせ食堂の異世界ご飯3
しかし今すぐアリアを迎え入れることができないのも事実。
 もどかしいなと、厨房と繋がっている料理などの渡し口へ目をやった。
 するとアリアが楽しそうに料理をしているのが目に入り、自然と笑みがこぼれる。
「あの料理がほかの人に伝わるのか」
 しあわせが広がっていくかのようだなと、リントは思う。
 料理しているアリアをしばらく眺めていると、「完成!」というアリアの楽しそうな声が聞こえてきた。
 それと同時に、美味しそうな匂いも。リントは考えるのを止めて、すぐに運ばれてくるだろう美味しい料理を待つことにした。

 すぐに、アリアが食事を持ってやってくる。
「リントさん、お待たせしました!」
「いい匂いだな。……卵焼きと、ご飯……?」
「似たようなものなんですけど、これはだし巻き卵です。こっちはお茶漬けです」
 料理を見たリントが怪訝な表情をしたので、アリアはくすくす笑いながら料理の説明をする。
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