夜のしめやかな願い

       *

「オミ兄の看病をしたんだって?」
「んー。
 インフルで倒れて」

ぼそぼそ言いながら、さゆりは目の前のミルフィールをフォークで崩した。

細かくパイ生地が散らばる。

見た目、汚い。

失敗だなと思いながら、口に運ぶ。

どこか運勢占いみたいだ。

うまく食べられたら、いい一日。

下手だったら、よくない日。

「で、さゆさゆの体調は?
 そろそろ潜伏期間が終わるでしょう」

宗忠の朗らかな声にさゆりは顔を上げた。

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