夜のしめやかな願い
「だってさ、オミ兄が勘当のようになったおかげで、色々としわ寄せがきているんだよね~。
いや、雅兄が結婚したからか。
とにかく藪蛇もいいとこ。
次から次へとお見合いさせられてさ。
せっかく面白い人をみつけたっていうのに」
ぶつぶつと呟いている最後のフレーズは耳に残らなかった。
「たーくん、お見合いしてたの?」
「させられているの」
強く言い返される。
「そう」
しばし呆けた。
内藤家の男子として産まれたら、当然だろう。
ずっと女性をとっかえひっかえが当たり前で、それが変わらないように思っていた。
一人に決めるんだ。
まあ、でもお見合いで政略結婚となると、その生活は変わらないかも。
さゆりはそう思い至って、ほっとする。