夜のしめやかな願い
「そうだな」
そう言った宗臣の表情は変わらなかった。
海外へ出るつもりはないようだ。
「どうしても日本がいいんだねえー・・・」
おばあさんのような呟きに、宗臣は無反応なままだ。
そんな宗臣をさゆりは不思議そうに眺めた。
いままで宗臣の内面なんて気にすることなんてなかった。
今、初めて、知りたいと思う。
この人が何を考え、何を思い、何を求めているのか。
「オミ。
どうして、今、日本にこだわるの?」
宗臣の茶色の瞳がみつめた。