夜のしめやかな願い

「へぇ。
 同情で傷つけるなよ。
 大事な幼馴染を」

皮肉で返す。

「就職祝いにそれがいいんだって」

宗忠はさらっと流して答えた。

「まあ、俺は日本を出るから、おまえが今後は目配りしてやれよ」
「出る・・・って?」

宗忠はぎょっとして目を見開いた。

「今日、退職届を出した。
 明日のフライトで日本を発つ」
「へ・・・って、見合い話、進んでたよね?
 相手・・だれだっけ?・・と、うまくやっていけるだろって、言ってなかった?
 どうするの、あの父親」

思わず声が大きくなって、弾丸のようにまくしたてる。

宗臣は眉をひそませて、冷たくみつめた。


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