夜のしめやかな願い
「突然?
ああ、まあ、そうだな」
宗臣はそう言いながら、自分でこういう未来をどこか予感していたことに気が付いた。
予感よりも願望か。
投げだしたい。
なにもかも自分の意にならない人生を。
許されないとわかっていながらも。
ずっと願っていた。
だから今、気持ちは晴れやかなのだろう。
「さて、家に帰るか」
あの男に自分が脱落をしたことを告げなくては。
内藤家を勘当だろう。
凄く愉快な気持ちになって、空になったグラスをかつんとカウンターに置いた。
「げっ・・・て。
これって見捨てられないじゃないかー」
宗忠はぶつぶつとつぶやくと、同じようにグラスを置いて、宗臣を追った。