夜のしめやかな願い
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毎朝、顔を洗った後に飲むことにしていた。
いつものように薬のシートを手に取ると、最後の一粒だ。
「あ」
呟きが口からもれる。
薬をもらいにいかなくちゃ。
そして気が付いた。
もう飲む必要がなかった。
“もう、来ない”と言われて、本当に来ていない。
もう、会わないってことなのだろうか。
お見合いをするとか言っていたから、二人だけで会うのはダメだろうし。
宗臣の横顔が浮かぶ。
自分の心が悪い方に傾く時、いつも浮かぶのは宗臣の顔だ。
ピアノを弾いている横顔。
自分にとっては、イコンみたいなものだ。