夜のしめやかな願い

現に、夢うつつから現実に戻ってきた時は、嬉し気にさゆりに諭した。

宗臣に嫌われないよう、わがままを言わないように。

無理を言わないように。

たえず敬うように。

さすがに3歩下がって歩けとは言われなかったが、どんだけ時代錯誤なんだろうか。

そして宗臣は母のそういった何もかもを見抜いていたんだと思う。

だから定期的に訪ねてきてくれていたのだ。

それを思えば、迷惑料として当然だった。

さゆりは薬のシートをゴミ箱に捨てた。

もう来ないのか。

付き合いが長すぎて、もう会わないというイメージがつかめない。

でも、もう来ないって言っただけで、会わないとは違う。

さゆりはそう思うと、いつものように発表会のチケットを宗臣に送ろうと頭の隅に書き留めた。

そう、今回からは、お見合い相手の分も。

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