夜のしめやかな願い

     *

寝てるし。

さゆりは隣で寝ている宗忠の鼻をつまんでやろうかと思った。

就職祝いのデートで映画を見に来ていた。

話題になっている恋愛ものだったので、見てみたかったのだ。

「何回目?」

場内が明るくなるのに合わせて目を覚ました宗忠に、ひたりと視線を合わせて聞いた。

宗忠はにこやかに笑った。

「4回目」

同じ映画を、全て違う女性と見ていて、今回で4回目ということだ。

「だったら言えばいいじゃない」

さゆりはむくれた。

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