夜のしめやかな願い
「でも夢を見ていられたから」
宗臣は息を吐いた。
「夢、ね」
相変わらずな冷笑だ。
「妄想だろう?」
さゆりは微笑した。
「そうね」
全く、その通りだ。
「おまえの予想通りだと、これでわかっただろう?
週刊誌に出ようが出まいが、どうでもよかった。
ただ、掲載された時に日本にいたら、自分のことは対処しなくちゃならない。
それが面倒だっただけ。
まあ、あの父親が家の醜聞を恐れるあまり、何としてでももみ消すとは思っていたけど」
顔を斜に傾けて笑っている。
「それで、今以上にあの父親にいいように、使われるのもごめんだしな」
宗臣は自分のあごに手をやり少し考える。